こうなってくるとなかなか涙は止まってくれない。


カバンに入れていたはずのハンカチを探すけれど、なかなか見つからない。


芦屋先生が自分のポケットからハンカチを出して私に差し出す。


「良かったら使って」


何もかも先生に頼りっぱなしで申し訳なかったけれど、今日はもう思いっきり頼ろうと決めてハンカチを受け取った。


もう言葉も話せないくらい涙が出て、先生から借りたハンカチで顔を覆うしか手立てが無い。


そこから私が泣き止むまでの間、私と先生は言葉を交わすことは無かった。