「やめてよ!!」

彼の手を振り払い立ち上がると、手からアイスが零れ地面にボトリと落ちた。

「僕の心を惑わせるのはやめてよ!優しくなんかしないでよ!!どうせ哀れだと思ってるんだろ?瑞穂を守る為に生まれて、瑞穂を守るのが僕の全てで……僕にはそれしかないんだよ!!瑞穂を守る為なら、僕は何だってするんだ!!」

グッと強く拳を握りしめたまま叫ぶと同時に、僕の頬を涙が伝っていく。

それを彼は悲しそうに瞳を揺らし見つめていた。

「俺は今のまま暮らしていても、柏木瑞穂は幸せになれないと思う。あの母親の元で、彼女が本当に幸せになれると思うのか?」

その彼の問いに唇を噛み締める。