「だから僕には……少し瑞穂ちゃんが羨ましいな。君達みたいに……自分を思ってくれる大切な仲間がいて」

そう言って彼は困った様に笑って私を見つめた。

「綾子ちゃん。君はとても優しい子だと僕は思うよ。本当に君達は……悲しくなる程に優しい子だと僕は思う」

近藤さんのその言葉に……溢れる様に涙が流れた。

それは嘘泣きが得意な私が流すいつもの涙とは別の……心の底から溢れ出てきてしまった本当の涙だった。