「綾子ちゃんは本当に瑞穂ちゃんの事が大事なんだね」

「……え?」

彼のその言葉にそっと顔を上げた。

「実は僕はね、昔から一人が好きでさ。あんまり人付き合いが得意じゃなかったんだ」

急に語り出した彼をポカンと口を半開きにした間抜けな顔で見つめる。

「だからあんまり友達とかもいなくて……心の底から本当に思い合える人とは出会った事がないんだ」

近藤さんはそう言ってクスクスと笑った。