「……どうして……助けてくれたの?」

彼はそう言って窺うように私を見つめる。

「……僕が死ねば……君達の秘密は守れたかもしれなかったのに」

彼の全てを見透かす様な瞳が、真っ直ぐに私を捉えた。

「……私にも分かりません」

そう言って微かに笑って見せると、近藤さんはほんの少し目を見開いて……それから同じように笑みを返した。