「いやー、やっぱ昼間は寝るのが一番だよね」

ならあたし、いらなくないですか。


そう考えつつも、意見の間を与えないのが、このミルクティー先輩。

……もとい、九条先輩。

結局断りきれなかったというかいろいろあって。

あれから一週間経った今でも、一日二時間くらいはこの屋上ですごしている。


「昼寝して起きたときに、なんか話し相手がいると最高じゃん」

と、あたしの心を見透かしたかのように笑ってから、九条先輩は夢の世界に旅立った。


……暇だなあ。

溜息を零しながら、たった今寝息をたて始めた先輩に目を移す。


素晴らしいまでに整った顔。

ミルクティー色の髪の毛がサラサラと揺れれば、長い睫毛を持った瞳が見える。


外見は世界中の女の子を魅了するくらい綺麗なのに、性格は少し変。

浮かべる笑顔はキラキラしてるのに、言ってる言葉は少しずれてる。


所々残念なんだけど、どうしても人を惹き付ける魅力があるとは、思う。