気になるって。そんなわけじゃない。

ただ自分勝手で理不尽な物言いに、モヤモヤするってだけ。


だいたい、近付いてきたのは先輩じゃない。

あんな瞳で曖昧な告白じみたことだけして、近付かないでなんて勝手すぎる。


「佑耶君と圭介と、あたしとあんた」

圭介ってのは、佑耶君の友達であり、麗奈の彼氏。

だからなんの接点もないあたしが佑耶君に誘ってもらえるんだ。

「わかった」

今の佑耶君には彼女もいなくて。
友達の彼氏の友達。

あたしがずっと好きだった人でもあって。


頑張るなら今しかない。


なのにどうしても頭に浮かぶのは、
無気力で全てのことにどうでもよさそうな態度しかとらない。

あの屋上でミルクティー色の髪を揺らす、
九条先輩しかいないんだ。