「あ、すいません」

「はあ?なにこいつ、ナメてんの?」

え、え、ええ。

全くもってナメてるつもりはない。

むしろ先輩達に囲まれて怖いし、逃げれるもんなら逃げたい。

でも逃げれないからしょうがないじゃない!

「マジむかつくわ。ホントあんた、九条君に近づかないでくれる?」

こっちから近付いてるわけじゃないし!

すかさず心の中で突っ込みを入れながらも、言葉にできずただ口をパクパクさせる。


向こうにいわれて、断りきれなくて!

……なんて言えたら、幸せなんだろうけれど。

あいにくあたしにはそう言うことはできない。


「ね、それとも一回怖い目にあわなきゃわかんない?」

そう言って、あたしに答える間も与えず先輩が手を振り上げる。

え、ちょっと間ってちょっと間って。
この状況ってもしかして…!

殴られる!?