―ガチャ
重い屋上の扉をゆっくり開ければ、青い空と白い雲。
あの時みたいなミルクティー色はみえなくて、なんだ、起きたんだと少しだけガッカリした気分になった。
屋上のフェンスギリギリまで連れて来られ、周りは逃げ場のないように先輩達が配置される。
「あんたさー、最近九条君と一緒にいるんでしょ」
リーダーっぽい、キツめ美人な先輩がそう言った。
…そんないつでも一緒にいるわけじゃないけど。
だけど最近会うことも多いから、否定することもできない。
「ここで密会してるってホント?」
「……」
密会って。
別に会議してるつもりもない。
「ねぇ、聞いてんの?」
視界の中にぐいっと入り込んで、リーダーっぽい先輩が言った。
その言葉に、シカトを決め込んでいたわけじゃないけれど、結果的にそうなっていたことに気づく。