side叶多



は!?



『待って、もう一回言って?』



今あり得ないことが聞こえた。


だって雨音が


"あたしが好きなのは…叶多だよ"


なんて言ったんだぞ?


絶対に聞き間違いだ。




「だから!!あたしが好きなのは叶多なんだよ!!」



『マジでいってんの!?』



俺はずっと昔から雨音一筋。

コクられたりしても無理って言い続けたんだ。





「………じゃね」



は!?


俺は俺の部屋から去っていこうとする雨音の手を取った。


『なんで逃げるんだよ!?』


俺まだ返事してねぇよ。