淡い朝焼けの道をひた走る。

どこに向かっているかは分からない。

ただ真っ直ぐに……振り返らずに。

徐々に太陽が姿を現し、世界が明るく照らされていく。

ゼイゼイと呼吸を荒げながらも、決して走る足は止めなかった。

それから暫く走り続け、崩れる様に地面に座り込む。

走った事など何年ぶりだったろうか。

大地をこの足で感じたのは……木や草の香りを感じたのは……一体どれぐらいぶりだろう。

……これで私は自由になった。

空を飛ぶあの小鳥達の様に、私はもう何処へでも行ける。

そう……何処へでも。

ギュッと拳を握り締め、眩しい空を見上げる。