ゆっくりと沈んで行く夕陽を、格子の嵌められた窓から見つめた。

……この日が沈めば……『あの人』が帰って来る。

ツキンと小さく胸が痛み、ギュッと強く胸を押さえた。

胸を押さえたまま黄昏の空を見上げると、巣に帰って行くのか小鳥達の黒い影が見えた。

自由に高らかに飛んで行く小鳥達を見つめたまま、小さく唄を口ずさむ。

それは今は無き、私の村に古くから伝わる子守唄。

おそらく永遠に出る事の出来ない小さな檻の中で……愛しいあの人の帰りを待ち続けた。