「裕子…」

そっと肩を揺すられて目が覚めると、優しい目をした征一さんがいた。

「あ、征一さん、お帰りなさい」

「ただいま」

「ごめんなさい。私、いつのまにか寝ちゃったみたい」

「俺こそ、すまない。せっかく気持ち良さそうに眠ってたのに起こしちゃって」

「疲れたでしょ? ご飯にする? お風呂にする? うふふ」

「なんだか嬉しそうだな?」

「だって、一度言ってみたかったの」

「『それとも、私?』って続くんじゃなかったか?」

「そうなの?」

「どうかな? でもそう聞いてほしかったかも」

そう言って征一さんは私の顎を指で持ち上げ、唇を重ねてきた。

「あ、ん…」

そのままソファに寝かされ、キスは激しさを増していく。
唇を吸われ、舌でこじ開けられ、私の舌に絡み付く。私は必死でそれに応えた。

卑猥な音と自分の喘ぎ声で、意識が飛んでしまいそう…

「ご飯作ってくれたのか?」

私はコクリと頷いた。息が切れて、話すことが出来ない。

「このまま裕子を食べたいところだけど、せっかくだからご飯食べるよ」

征一さんに手を引かれ、私は渋々立ち上がった。ご飯は作らない方が良かったかも…