口に出して言いたかったけど、
そのこに失礼だと思い、

心の中で呟いた。

「此処は、―――何処?」
え?
それわかんないの?

「私でよければ、
教えてあげようか?」

「いいの?
ぁりがとう」
その子はニコッと笑った。

「此処は、私立明園高等学校。
で、私は杉山沙希。よろしく」
私は手を差し伸べる。

「へえ。
沙希って言うんだ。
可愛い名前だね。
僕の名前は…、
宇都宮侑稀です。

よろしく、」

「沙希っ!!」