「武・・・・・・・」そう美紀は叫んだ、病室からすすり無く声が聞こえた。
美紀はがっくり肩を落とした・・・・・・・病室の中から義孝が出てきた。「駄目だった」美紀は病院だからずっとなくのを我慢していた。外は12月の雪が降ってた・・
武が天国に召されたのは寒い寒い夜だった。「もう苦しまなくていいからね」「つらかったね」美紀はそういって武にお別れをした。

バイクの事故だった、出てきた猫をよけられなくてトラックと正面衝突したのだ・・・
「やさしい子だったんだよ、猫よけるなんて」「そうだねやさしい子だったんだね」
みんなのすすり泣く声が聞こえる・・・・・・・・・・・・・・・・・「まだ15歳なのに」武の母親が泣き崩れた。

廊下からひそひそ声が聞こえた、「即死だったらしい」「えっ即死状態だったの」「肺が事故にあったせいでつぶれていたらしいよ」「どうして15歳でバイクなんて乗ったんだろう」「盗んだバイクだったらしいよ」「ふうん」

お通夜が行われた・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・親戚一同友達も来てくれた。「よかったね武」「みんな来てくれたよ」