『月美~~♪』



授業が終わると、たいていどこからか聞こえる声。



そして、あたしの名前を呼ぶ主はいつも同じ。



『…もぅ~!隆司、うるさいっ』



あたしの席に向かって、大声で、駆け寄ってくるのは隆司。



『いいじゃん~♪月美、図書室で飯食おう!』



『えっ…あ、待ってよ』



最近のお昼休みは、だいたいこんな風に強引に誘われて隆司と一緒。



そんなあたしと隆司のやりとりは、



いつの間にか「クラス公認」みたいな感じになっていて、



そんな雰囲気にあたしもようやく慣れてきていた。