あたしにとって空人は特別な存在なんだ。



キスの心地良さも、



抱きしめられる幸せも、



愛される喜びも、



全部空人があたしに教えてくれたこと。



だけどあたしは今こうして隆司に抱きしめられている。



すぐにでも抵抗することだって出来るのに、



それすらしないで、キスだって拒まない。



………空人だって、彼女を抱いているはず。



彼女とキスして抱き合った、その唇で、その手で、



あたしにまた同じことをするのだから………



今まで、そんな現実を認めたくなくて想像するのを、そして考えるのを、避けていたけれど、



これは、あたしも空人と同じようなことをするだけってこと……



………そう思えばいいのかな……そしたら、楽になる？？