『そんなに驚くことか?』



わざと口を尖らせて、空人があたしの顔を覗き込む。



だって、だって……。



結婚って…空人と結婚ってことでしょ…。



『そんなプロポーズみたいなこと急に言うんだもん…そりゃビックリするよ~』



『プロポーズみたい…じゃなくて、本当のプロポーズだから!』



空人はそう言うと、あたしの首に何かをそっとかけた。



『えっ…空人…これは?』



『鏡見てみて♪』



空人の部屋にかかる大きな鏡に映ったあたしの胸元。



そこには月の形と雲の形のモチーフのネックレスが、



部屋の照明に照らされて、キラキラと光っていた。