『で、彼氏君とは会えたのか?』



仕事から帰って来た空人が、あたしを抱きしめながら言った。



『うん…』



あたしの返事に、何度も頭を撫でる空人。



『とりあえずよかった…。月美がこうして俺ん所に帰って来ただけで、すげぇ安心だわ…』



『帰って来るに決まってるでしょ?』



今日は頑張って夕食を作って空人の帰りを待っていたあたし。



『だって、あの彼氏君、相当、月美に惚れてる感じしてたからさぁ』



空人はあたしをギュっと抱きしめながら、



『ってか、めちゃくちゃ美味そうな匂いがする♪』



と、嬉しそうに耳元でささやいた。