そう言って、その場を離れる隆治君に背中を押されるようにして、



あたしはゆっくり一歩前に出た。



『元気そうだね。隆司…』



あたしの言葉に隆司はニッコリと微笑む。



『好きな海で、何にも縛られることなく自由にやってっからなぁ~』



隆司の日焼けした肌には、ゴールドのピアスにネックレスがよく似合っていた。



『今、店長に休憩を頼んでくっから、月美はここで待ってて』



隆司が急いで店内に入っていくと、隆司の仕事仲間の店員さんがあたしに近づき、



『ねぇ、ねぇ。君、たっちゃんの彼女?』



『だから、たっちゃん、モテるのに女作らねぇのかぁ』



『すげぇ可愛いじゃん♪隆司に会いに来たの~?』



みんな興味津々でそれぞれにあたしに話しかけてきた。