景色はとんどん緑が多くなって、遠くには山も見える。



『疲れたか?もうすぐだから…』



隆治君は何度来たことがあるのかな?



バスを降りると迷うことなく、また歩き始める隆治君。



『……うわぁ…綺麗…』



上り坂を登っていくと、目の前には、静かな波音をたてる穏やかな海が見えた。



『……すごい…超綺麗っ』



『あぁ。こっから見下ろすのは最高だな』



そう言いながら、隆治君は海のほうを指さした。



『兄貴がいるの、あそこに見える海の家だから』