帰りに乗ったマンションのエレベーターの中でも、



あたしは空人の手を握っていた。



手を繋ぐと、それだけで安心出来るから不思議。



『明日で学校終わりなんだ。それで夏休み!バイトでもしよっかな?』



『バイト?んなのいいから、夏休みはずっと俺のそばにいろよ』



『え~。バイトした~い』



『バイト先で男との出会いがあるかもしんねぇじゃん?俺それ嫌だ…』



何気ない会話でも、全てが大事。



紗耶香さんと別れた空人。



もうあたしは空人の彼女なんだよね。



戸惑いもあるけど、少しずつわいてくる実感。