今まであたしと会っている時に、仕事の話をすることのなかった空人。



だから、あたしは空人がどんな仕事をしているのか知らなかったけど、



『月美と会ってる時くらい、仕事のことは忘れていたいから…』



さっき空人が言ってた、その言葉から答えを見つけた気がした。



『じゃあ、またな…』



『うん』



家の前で車から降りたあたしは、



空人に向かって手を振った。



空人とあたし………。



一緒に前に進んで行けるかな……。



空人の車を見送りながら、



あたしは、ふと、そんなことを考えていた。