浬の憎しみは、銃を乱用した
男に向けられる。

その男の元へ駆け寄り
男の胸倉を掴み、男を倒し
ねじ伏せ、銃先を男の口に
銜えさせた。

今の浬に優しさなど微塵も
感じない・・・

人を殺める事はこんなにも
簡単なことなのか?

引き金を引けば、お前は
確実に死ぬ。

目の前の人間の命の尊さを
量るよりも、復讐の気持ちの
方が勝る。

俺が遣れば、凌は報われる。

悲しげな悪魔の瞳に魅入って
しまった男は、抵抗する事も
無く、ゆっくりと瞼を閉じた

親父が人を殺めた時も
こんな気持ちだったの
だろうか?

引き金に振れる、浬

聞こえる声・・・

「カイリ、何処だ」