浬の前に、立ちはだかったのは
凌だった。

何発も放たれた弾丸のひとつが

凌の胸を貫いた。

「リョウ・・・」

倒れる凌を抱きとめる、浬。

凌の胸から、流れ出す

赤い鮮血・・・

浬は冷たい手で必死に
凌の傷口を塞ぎ、抱きしめた

真赤に染まる、手・・・

ねっとりとした、血・・・

生臭い、血の香り・・・

今にも、気が振れそうだ。

「リョウ、どうして
 俺を庇ったりした」

「アナタは
 入江組、八代目組長
 どんなことを、しても
 守るのが
 俺達の、役目・・・」