神前の言葉を鼻で笑う、浬

「俺もアホやない
 
 高月組の全部を貰おうなんて
 これぽっちも思てへん
 
 けど、お前を捨て駒として
 使えば、契りのひとつや
 ふたつ簡単に結べるやろなぁ

 それだけで、こっちで
 大きい顔して仕事ができる
 ちゅうもんや」

浬は、またも鼻で笑う。

「俺は、高月に産まれたが
 高月組には、必要と
 されなかった男・・・
 
 そんな男の為に、高月組が
 動く訳が無い」

「それは、どないやろなぁ
 まあ
 やってみな、分からへん

 お前らに言う
 
 間違っても組長の命だけ
 は取るな
 
 後は好きなように
 したらええ」

そう言い残し、神前はまた
部屋へと戻って行った。

ドアが閉まる音と共に
抗争は、また始まる。