お前の亡骸など見たくない。

『カイリ、聞いて
 私も貴方も、リンも
 絶対、イオリよりも先に
 死ぬことは許されない
 
 何があっても
 絶対に・・・』

忘れていた・・・

俺は死ぬことを許されない。

俺は死ぬわけにいかねえ。

拍手の音が聞こえる。

そう拍手をしながら
浬の前に現れたのは
灰塚組・組長、朱鷺。

「よう、ここまで
 遣って退けたもんやな
 ちょっとは、すごいと
 認めたるわ
 
 しかし、ここからは
 そうは、いかへんで」

ドアが開き、現れたのは
神前組の柄の悪そう組員が
大勢、ひしめき合う。

その中でも、先頭に立つ
男達の死んだような瞳は
ゾクゾクする。