「カオル、頼む
 
 入江組は・・・」

「分かってる
 母さんの生まれ育った
 場所・・・・・」

俺の大事な場所・・・

馨は一人、車を運転して
ある場所へ向かう。

そこに掲げられた代紋・・・

『高月組』

事務所内、両脇を男達に
捕まれた馨は叫ぶ。

「組長、出さんかい
 
 お前等の大事なもんが
 死んでもええんか」

掴まれた手を振り解く、馨を
取り押さえる男達・・・

耳障りな賑やかな声に
奥から出て来たのは

高月組・組長、兵頭要

幹部・若頭、伊納透馬