「会長、入江組の組長
 自ら・・・」

「何?」

声高らかに笑う、神前。

「おもろい男やなぁ
 
 戦争(でいり)に親が
 出てくるとは
 死ぬ気なんか?

 まっ、殺さん程度に
 かわいがったれや
 
 あいつは
 大事な駒やからな」

浬は叫ぶ・・・

「カンザキ、どこだ?」

その頃、入江組の襲撃を
知らない馨は、父親である
保の病室に来ていた。

ベッドの傍で、年老いた父親の
憐れな姿を見つめて、今までの
親不孝な自分の行動を責めて
いた。

病室のドアが勢いよく、開く。

「アニキ、大変や」