そこには金網が綺麗に穴を開けられた場所があった。なるほど、ここなら侵入できそうだ。
まずは優等生、それから食いしん坊が続いた。僕は二人に比べると当然体格は大きいので、多少キツかったけれどなんとかくぐった。
そこには、もう既にその役目を果たしたアトラクションたちが息を潜めて佇んでいた。一番近い場所にはコーヒーカップ、そしてお化け屋敷やグルグルと部屋が回るビックリハウス、ゴーカートも見えた。何故だか、とてつもなく寂しい風景に映る。
「回ってみますか?」
「回るか?」
僕が答える前に、二人は歩き出していた。でも二人が言う通り、とりあえず遊園地を隅から隅まで回ってみた方が良さそうだ。真鈴はいるのだろうか。