繁華街を抜け、静かな住宅街へ差し掛かる時、それは見えて来た。
「ねぇ、あれかな?」
僕はマンションの上にチラリと見えている観覧車を指差して言った。
「そうですね、あれが中山遊園地です」
「そうだよ、あれが中山遊園地さ」
そう言いながら二人はどこか悲しげな顔をした。
「どうしたの?」
「……本当に行くのですか?」
「本当に行くのかよ?」
頭の中には真鈴の顔が浮かんでいる。行かなきゃ。今すぐ。
「うん、もちろん行くよ。でも、もう場所は判ったから一人で行ける。ここまででいいよ」
二人は顔を見合わせた。まだ陽は高いけれど、あそこまで向かえば暗くなるだろう。そんな時間まで小さな子供を連れて歩くわけにはいかない。
だけど、僕のそんな思いとは別に二人は何も言わずまた歩き出した。
「ねぇ、あれかな?」
僕はマンションの上にチラリと見えている観覧車を指差して言った。
「そうですね、あれが中山遊園地です」
「そうだよ、あれが中山遊園地さ」
そう言いながら二人はどこか悲しげな顔をした。
「どうしたの?」
「……本当に行くのですか?」
「本当に行くのかよ?」
頭の中には真鈴の顔が浮かんでいる。行かなきゃ。今すぐ。
「うん、もちろん行くよ。でも、もう場所は判ったから一人で行ける。ここまででいいよ」
二人は顔を見合わせた。まだ陽は高いけれど、あそこまで向かえば暗くなるだろう。そんな時間まで小さな子供を連れて歩くわけにはいかない。
だけど、僕のそんな思いとは別に二人は何も言わずまた歩き出した。