二人は顔を合わせる。
「中山遊園地ですって」
「中山遊園地だってよ」
そして僕の方へ向き直り、またほぼ同時に話す。
「知っていますよ」
「知ってるぜ」
よかった。さすが子供。遊園地は大好きな場所なんだろう。
「でもですね……」
「でもな……」
「なんだい?」
「あそこは嫌いですね」
「あそこは嫌いだな」
「なんで?」
二人がまた顔を向き合わせる。
「とにかく行きましょう」
「とにかく行ってみようぜ」
僕が呆気にとられている間に、二人が歩き始める。保護者はいないのだろうか? このまま遊園地まで連れていってくれるのだろうか? 周りをぐるりと見回したけれど、保護者らしき人物はいない。とにかく今は二人についていってみるしかなさそうだった。