家の中は、外の景色と正反対に真っ暗だった。よく見ると、カーテンどころかシャッターまでも閉められている。僕は恐る恐る足を踏み出す。
キッチン。リビング。バスルーム。何の変哲もない。僕はひとつ部屋を覗くたびに胸を撫で下ろす。2階へと続く階段。軋む音。父さんと母さんの部屋。扉のほんの小さな隙間から、何かを感じる。
ここだ。僕は目を閉じ、深呼吸をする。「祐希くん。何があっても受け入れられる?」真鈴の声が耳元でリピートされる。
僕は頷き、目を開いてドアノブを回す。