「えっ、どうゆうこと?」
周辺の人達? 今思い浮かぶのは、母さんと奏。そして……真鈴。なんで危ないんだ?
「そうじゃないと、あなたにその能力は生まれないからよ」
真鈴の目はどこか悲しげだった。
記憶を操る。操らなければいけない。酷い記憶が植え付けられるから。というわけは……。
「もしかして、父さんは」
「そう、全ての始まりよ」
僕は一瞬、思考回路が凍り付いたような感じがした。それと同じく、体も動かなかった。巡らされる思い。母と奏の顔。まさか……まさか。
僕は立ち上がった。