「貴田先生はあなたの、その能力を狙っているの。だから、あなたを探していた」
僕の頭の中はクエスチョンマークでいっぱいだった。が、とにかく話を聞かなければ。質問は最後だ。
「さて」真鈴が姿勢を正す。「私が知っているのはここまで」
えっ? ここまで? 僕は思わず椅子から落ちそうになった。まるでバラエティ番組だ。
「ここまで……か。僕は、どうしたらいいんだろう?」
そうだ。それを知って、僕は何をしたらいい? だいたい、いつ身につくかも判らない能力。貴田先生はなんのために?
「祐希くん」
真鈴が僕を真っ直ぐに見ながら話す。
「あなたの周辺の人達が、危ない」