「あなたには特殊な能力がある」
まるで預言者のように、真鈴はそう言った。どう見たって真剣な顔だし、冗談を言ってるわけではないだろう。何か言いたかったけれど、今は黙って聞くことにした。コーラを飲む。ごくり。
「正確に言うと、今はまだその能力は備わっていない。だけど、今地球上でその能力を身につけることのできる基盤? ベース? とにかく、そういうものを持っているのは祐希くん、あなただけなの」
真鈴はカップを手にして、だけど一口も飲むことなく皿に戻す。かたり。
「もちろん、自分では見覚えないわよね?」
そりゃあそうだ。そんな小説みたいな話、聞いたことあるわけない。僕は頷く。こくり。