「ルールがあります」
ルール? 一体何のことだろう? よく判らないけれど、とにかく今はこのペンギンの話を聞いてみよう。僕は頷いた。
「あなたの愛する人、つまりあなたが愛を見つけたなら、その手を取ってこう言うのです」
ペンギンは一呼吸してからその言葉を言った。
「君が愛だ」
僕は可笑しすぎて、笑いそうになった。まだ中1の僕に愛する人だって? 君が愛だ? 大体、なんでペンギンがそんな話を?
そうか! もしかしたら僕は、公園でのあの出来事から頭がおかしくなったのかもしれない。不思議そうな顔をする僕を覗き込んで、ペンギンは言った。
「もしかして、もう私のことを忘れてますか?」
忘れてる? 元々知らないんじゃ……だけどその瞳を見た瞬間、何かが僕の中から沸き出してくるのが判った。