とりあえず僕は、さっきまで聞いてたCDを直そうとした。
すると突然、勢いよく彼女がブランコから飛び降りた。
「何聞いてたの?」
僕が答えるよりも前に、彼女はイヤホンを取り上げ、ウォークマンのPLAYボタンを押した。
しばらく彼女は黙りこくってその歌を聞いていた。時に頷き、時に首を傾げながら。
太陽は少しずつ沈んでいく。僕らの長い影が形を変えていくのが見えるような気がした。だけどそれは実際、限りなく小さな変化の連続でしかなかった。
イヤホンを外し、僕に渡す。すると、彼女から出て来たのは思いもよらない言葉だった。