「ちっ……まだ雨は止まないの? 強くなる一方じゃない! ……あぁ、あとひとつ質問が残ってたわね。奏だったっけ? あなたの幼なじみね。あの子まで死んだの?」
やっぱり! 奏は死んでなかったんだ!
「もし死んだのだとしたら、私たちは関係ないし、死んだと思っているだけなら、真鈴の機能が働いたのかもしれない。あなたに、自分以外の希望を与えないというね。……でも、例え生きていても今さら希望になんてならないわね」
いや、違う! 僕には大きな事だ! 隣でただ手を掴んで離さない真鈴を見る。僕はなんで、こんなものに希望を預けたりしていたんだ。
大勢は変わった。僕は希望を取る!
「さぁ、お話はこれくらいでいいかしら? 私たちが無理矢理、あなたの能力を奪い取ることだって出来るけど、それはしたくないの。さぁ、こっちへ来なさい。能力はあなたに残してあげる。ただ、ちょっとだけ意識をコントロールさせてもらうから」
それは恐らく、僕も彼女たちの仲間になるってことだろう。僕を囲む、こいつらのように。
「早く来なさい。もう諦めたんでしょう?」
違う!