優等生と食いしん坊はこいつらの仲間ではない……ならば、あとひとつだけ確認しておいてもいいはずだ。
「もう僕は諦めている。ここから逃げたりはしない。僕の能力が欲しいなら、くれてやる」
貴田先生の目付きが鋭くなる。周りの連中も、僕の言葉を聞いてそわそわし始める。ようやくこの時が来たのだ、と思っているのだろう。
「ようやく観念したんだね。やっぱり、真鈴のショックが大きい？　……まぁ、とにかくあなたも私たちの仲間入りよ。歓迎するわ」
僕は強く下唇を噛む。もう何も、失うものなんて無いんだ。
「だから、もうひとつだけ教えてくれ。父さんや母さん、そして奏を殺したのもお前たちなのか？」