「私はあなたの意識に『刷り込み』を試みたわ。知ってるでしょ? 産まれて最初に見た者を親だと思い込んでしまう現象。失礼だけど……」
そう言って彼女は自分の白衣のボタンを上から外し始めた。中には下着を着けているだけで、ただでさえ開いていた胸元は今や全てのボタンが外されその全体を現した。
「あなた、この胸のことが強く印象に残ったでしょう? 最初に目にした時はもちろん、それからも頭の中で浮かんだはずよ」
それは事実だ。僕は彼女の胸の映像が、頭の片隅で残り続けていたのを感じていた。
「思春期の男子ですもの。ただでさえ、大人の女が見せる肌には注目してしまうわ。だけど……何故かあなたには通じなかった。何か別の力が邪魔したんだわ。でも……その時洗脳されていれば、奥の手を使うこともなかったのに」