「私たちは、あなたと同じ様に特殊な能力を持った人間」
特殊な能力? 僕と同じ? どういうことなんだ。同じ様に、記憶の交換が出来るってことか? 雨はじわじわと僕の体温を奪っていく。寒さと恐怖から、僕は震え始めた。真鈴は平気なようで、表情ひとつ変わらなかった。
「この世界にはね、特別な人間がごくわずか、いるものなの。テレビや漫画に出てくるような存在、と言えば判りやすいかしら?」
そうか。特殊な能力は色々な種類があるんだな。僕は不思議と、話を自然に受け入れることが出来るようになっていた。だって実際、僕には記憶の交換が出来るじゃないか。