「なんだ!?」
僕は驚いてのけ反る。真鈴は? 真鈴は大丈夫か? どうやら隣の部屋の窓ガラスらしい。子猫ではないだろう。人間だ。誰が?
「真鈴!?」
……声はしない。気配も感じない。僕は……僕はどうすればいい!?
窓ガラスを割った誰かが扉を開こうとしている音が聞こえた。ここから出なくちゃ! 僕はこの部屋の記憶と、なんとなくの感覚を頼りに、探り探り玄関へ向かった。真鈴は? どうする? その時、こちらへ続く扉が開かれた。侵入者はすぐそこまで来ている! 迷ってる暇はない。僕は玄関の扉を押し破り、外へと飛び出した。