「ねぇ、もう一曲唄ってよ」
真鈴が僕に言う。僕は子猫の顔から目を離せない。何故だろう? なんでこんなにも、君の気持ちが判るのだろう。君が聞きたがっている曲は、あれだろう?
僕の、CDウォークマン。たった一曲だけ入った、僕のうた。一人ぼっちの公園。そして一人ぼっちの遊園地。気付けば真鈴がいた。
……違う。ちょっと待て。何か忘れていないか? この歌を一番聞きたがっていたのは……。