さて、どうしたものか…アイスコーヒーをひとくち、口に運んでから僕は思った。ペンギンの希望通り、僕は自宅へと彼女を招いた。そこへほとんど同時に、仕事を終えた妻が帰って来た。妻は僕のことも、話すペンギンのことも、奇妙だとは思っていないようだった。少なくとも僕にはそう見えた。つまり、こんな不自然な事態が自然に受け入れられることも有り得るのだ。
妻には、結婚した当時から確かに少し変わったところがあった。宇宙や妖怪等の、科学では解明できないような不思議な話が好きだった。
それでも、よくよく考えてみると最初に話すペンギンを受け入れたのは僕だ。つまりは、僕自身少しズレているところがあるのだろうか。そんな風に考えている分、自分をまともだと思えるのがまた不思議だった。
「あの」
沈黙を破ったのはペンギンだった。オスともメスとも区別のつかない声。動物特有の、耳につく高音。メスだと知って聞いてみると、なかなかどうして女らしい声だとも思える。そんな声が僕の思考を遮った。僕と妻は身を乗り出し、ペンギンに顔を向ける。
ペンギンは僕らの顔を交互に3度ずつくらい見て、こう言った。
「あなたたち夫婦は愛し合っていますか?」
妻には、結婚した当時から確かに少し変わったところがあった。宇宙や妖怪等の、科学では解明できないような不思議な話が好きだった。
それでも、よくよく考えてみると最初に話すペンギンを受け入れたのは僕だ。つまりは、僕自身少しズレているところがあるのだろうか。そんな風に考えている分、自分をまともだと思えるのがまた不思議だった。
「あの」
沈黙を破ったのはペンギンだった。オスともメスとも区別のつかない声。動物特有の、耳につく高音。メスだと知って聞いてみると、なかなかどうして女らしい声だとも思える。そんな声が僕の思考を遮った。僕と妻は身を乗り出し、ペンギンに顔を向ける。
ペンギンは僕らの顔を交互に3度ずつくらい見て、こう言った。
「あなたたち夫婦は愛し合っていますか?」