「なら、それでいい」


「ほんとにいいの? 俺、愛花につらい思いさせるかも」


「無理して忘れて、先生の笑顔が見れなくなる方がイヤ」


「愛花……」


「でも1個だけ、お願い聞いてくれる?」


「何?」


「私をひとりにしないで」


「うん。ひとりにしない」


「約束」


「ああ」


俺は愛花を抱きしめた。


「先生、好き」


「俺も、好き」


愛花は、こんな俺を受け入れてくれた。


いまだに忘れられない人がいる俺を。