【愛花サイド】


なんとなくわかる。


大切な人との思い出は、いつまでもとっておきたい。


だって、私もお父さんとお母さんと心葉と撮った写真、今でも大切に取ってあるもん。


私はうなずいた。


「でも聞いて、愛花」


先生はぎゅっと自分の左手で、私の右手を握った。


「俺は、愛花が好きだ」


「先生……」


「抱きしめたあの夜から、本気で愛花を守ってやりたいって思った」


先生のぬくもりが、手を通して伝わってくる。


温かくて、すごく安心する。


ああ、やっぱり私も、先生が好きだ。


「愛花のこと、好きだ」


もういちど、先生が言った。