現にさっきの会話から
ずっと沈黙だ


でもすぐにそんな沈黙を
破られた


『……高橋さんてさ』

「……はい!??」


急に話掛けられたから
つい声が裏返ってしまった


どうしよう

絶対引かれた…


そう思っていたが
赤沢君は予想とは違う反応をした



『……ははっ…
そんな驚かなくても…』


………笑った…


いや、笑っちゃいけない
なんてことはない


けど…私にとって彼の笑顔を
見るのは初めてだ




「あっごめん…つい……」

『いや、良いって

んで高橋さんてさ弟いる?』

「?…うん」

『もしかしてこれから
菜畑幼稚園に迎えに行く?』

「うん…って何で?」

『俺の妹もそこの幼稚園
通ってるからさ

俺も妹迎えに行かなきゃいけないから』

「へぇー…そうなんだー」



………待て


俺の妹…も…?

も!????



「えぇぇ!??嘘だっ」

『えっ反応遅くね!?

しかも嘘じゃないし
赤沢美波って言うんだけど
知らない?』


赤沢美波?

あかさわみなみ?

……みなみ…ちゃん?




あ………