「ぁ、アタシ自分で払うよ?」
財布を持って立ち上がったけど
内田くんは笑いかけてくれながら
「雫ちゃんはイイから♪」
と、アタシを座らせた。
「けっ!!!営業妨害だよ原は!!」
内田くんは仕方なさそうに
会計に歩いて行った。
アタシと早織も席を立ち
会計カウンターに行く。
「かぁー!!1450円かよッ!!!
しかも、アイスコーヒー6杯って
原の胃袋はコーヒーだらけだな!!」
「下らない事言ってんじゃないよ!!」
早織がすかさず内田くんの頭を叩いた。
「いでッ!!
おぃ!!奢ってもらったくせに!!!」
内田くんは叩かれた箇所を
さすりながら涙目で言った。
「ありがとうねー内田♪行こう雫!!」
早織はアタシの腕を引いて歩き始めた。
アタシも慌てて
「内田くん!!ありがとう」
内田くんにお礼を言って店を出た。
目的の清水くんはほんの
少ししか見る事は出来なかった――
雨は今も止んではいなかった。