それは群れを見つけた次の日の夜だった。

警報がビル中に鳴り響いた。どこからか『彼ら』の侵入を許したらしい。

仲間とともに武器を手にした私は、透の姿が見当たらないことに気づいた。

私は透を探した。しかし、民間人を集めた階にはいなかった。


侵入経路は地下駐車場。

前回の攻撃でシャッターがもろくなっていたのを狙われたのだ。

民間人階、指令部階の防火扉を締め切って、私達は地下へ向かう。

透のことを気にしながら、私はマシンガンを握りしめた。

『彼ら』の総数は三十一。

「いつもより少ないな。楽勝じゃないか」

誰かのつぶやきが聞こえた。

 
無線からの指令を元に、私達は地下駐車場のドアを急いであけると、すぐさまマシンガンをぶっ放す。

べしゃっ。

気味の悪い音が地下駐車場のコンクリートの空間に響き渡る。

殺戮の始まりだ。

目の前に現れる『彼ら』の中に透がいるかもしれないと恐れながら、わたしは『彼ら』をつぶし続けた。